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2006年12月06日(水曜日)更新
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第7号 乾杯ならぬ完敗
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酒類のディスカンター、いわゆる、並行輸入という上手い仕入が成立して、酒税を抜いた酒類の安売り店舗が、郊外に生まれてだいぶん時間が過ぎた。ある日、そこへ立ち寄った。こういうビラを見た。ここからが表現が難しい。
越乃寒梅 一〇〇〇〇円
他の日本酒 一〇〇〇円
他の日本酒 一〇〇〇円
同
同
・・・・・・・・・・・・・
これを見た男は同道した妻に言った。「金、幾ら持っているかい。『越乃寒梅』が安いから、一〇本買うから」と。妻は「一〇万円は持っていませんよ」と。右の定価表示を見ると、「越乃寒梅」が一〇〇〇円に見えませんか。一〇本買いたい気持ち、分かりますか。分かるでしょう。
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2006年11月27日(月曜日)更新
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第6号 ある日の酒談義から
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「越の寒梅」に始まって、「一七代」「森伊蔵」など、噂の銘酒はあらゆるジャンルで、数え切れないくらいだ。しかし、飲み比べる武器がないだけに、耳学問にしか過ぎない。海外へ出かける前夜、ある酒席で隣人が「“ルイ一三世”を買ってくれば三〇万円で引き取る」という。それぐらい価値があったのだろうか。
「ロイヤルサルート」を頂いたが、飲まずに何かのお礼に使った。また、頂いたので今度は飲んでしまった。一晩で一人で空けた。二日酔いは全然ない。高級なスコッチは悪酔いしないことを知った。ビロードの袋が残ったが、これを娘の幼稚園の弁当袋に母親は使った。園長先生が目敏く見つけたようだ。「お父さんはお金持ちだね」と。帰って来た娘は母になにやら報告していたが、下戸一家に育った母は、なんのことやらさっぱり分かっていなかった。それで良いのだ。
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2006年11月20日(月曜日)更新
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第5号 八十一兆円はどこへ行く
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団塊の世代は約八〇〇万人、その退職金合計は八一兆円、二〇〇七年問題はこれをさしている。桁違いの現金フローが生まれるのだが、この現金は、どこを目指して流れ去るのか、注目されるが、ある調査によると。国内旅行、海外旅行、家のリフォーム、生涯教育の順序だという。活字が絡むマターは生涯教育だが、旅行とリフォームにほとんど取られては、残りが少なくなろう。活字に流れ込んでくるのには、余り期待は出来そうにない。
八〇〇万人の塊だけに、今後の人生設計も決してたやすくはない。支出に回すよりも、じっと蓄えて置かなくてはならない面もあるだろう。二〇〇七年問題は来年であるが、八一兆円は韓国のGDPに匹敵するという。大きな塊をどの様に生かすか、知恵の絞りあいはこれからだ。
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2006年11月13日(月曜日)更新
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第4号 出版界では有難いようで、有難くない困った話し
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出版販売界には、評判が悪い場所が二カ所ある。一つは公共機関の代表者、図書館である。もう一つはブック・オフに代表される多くの新古書店である。
かつて、図書館は児童書を中心にした多くの専門書出版物の購入先だった。ところが、現在は新刊書を多く購入し、貸出冊数を競う図書館に変質してしまった。新刊を何冊も購入する図書館は、書店の売上を食うと不評。
もう一つの新古書店は、書店から万引きした新刊書の受け皿になっているという。最近、無伝返品と言って、返品には伝票の不要なシステム、そのスキをついて新古書店へ、返品物を横流しする輸送業者の犯罪的行為も発生した。
許せない図書館と新古書店。ところが、本好きな年金生活者は声を大にして「この二つがなければ、われわれの読書の楽しめが奪われかねない」怒ると。その通りでもあるから困惑する。 (過分数)
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2006年11月06日(月曜日)更新
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第3号 お墓談義の一こま
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私は三人兄弟の末弟、実家も含めて親戚のお墓絡みの催事は、何時も苔むす古びたというか、年輪を感じされるというか、作ってから年月が経ち、貫禄のあるお墓との付き合いが多い。決して大きくはなくても、上手く調和の取れたたたずまいの墓石が、故人を偲ばせてくれる。
昨年、次兄が亡くなり一周忌があって出かけたが、新しいお墓が出来ていた。製作年月日は当然平成一八年だった。なんと新しいことか。次兄は新しい所帯を持って実家を出ているから、お墓がないわけで新しく作らざるを得なかったわけだ。兄嫁と甥が。それにしても、新しい墓石に、平成一八年と刻まれると違和感を感じた。新しすぎるから。
私の母、つまり息子の祖母の法事があってお墓参りに家族で出かけた折、小学生の息子が「お父さんもこの中にはいるの」と聞く。「これはおじさん(長兄)のお墓、お父さんのお墓は長男の君(つまり息子)が作るんだよ」と説明したが、理解できたかどうか。
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